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サイクンボという髭の立派な政治家

中国に、さいくんぼという髭の立派な政治家がいた。
髭の長さが15m位あった。

ある時、天子から、
「そのひげは寝る時はどうしているのじゃ」
と聞かれた。

「ちょっとど忘れしましたので、一回寝てみてから報告します」
さっそく帰って寝てみる。

掛け布団の中にしまって寝てみると、どうも違和感がある。
そこで掛け布団の上に出してみると、喉の下がすーすーする。
もう一度掛け布団に入れてみるとやはり違う気がする。
とうとう明け方まで、髭をしまったり出したりしていた。

翌朝天子に謁見して、
「申し訳ございません。一晩中試し続けましたが、分かりませんでした」

天子は、
「お前はこの国のことはよく分かっているが、自分のことには暗いのお」
といった。

人間、自分のことは分からない。

ニワトリが最近鳴かなくなったと嘆くおじいさんがいた。
ところが、鶏が鳴かなくなったりはしない。
自分の耳が聞こえなくなってきている。
自分のことは分からない。

どうして自分の姿が見えないのか。
それは、近すぎてみえない。
「目、目みることあたわず、刀、刀きることあたわず」
自分の目で自分のまゆをみることはできないように、
自分の心で自分の心を知ることはできない。

ではどうすればいいのかというと、
自分の姿を見る時は鏡を使う。

鏡がなかったら、ご飯粒つけて歩いていてもわからない。

自分の心を知るには、自分の心を映し出す鏡が必要。



by sakyamuni | 2020-10-11 12:00 | 生きる意味