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キルケゴールの人生の3段階の道

キルケゴールという哲学者がいます。
西洋哲学の最高峰は実存主義です。
彼は実存の三段階というのを考えています。

第一段階は美的実存です。

これは単純に欲望を満たす段階です。
人間の幸せは、結局、欲をどうするかということしか知りません。
しかし、欲望は無限なので、どんなに頑張っても満たしきることはできません。

第二段階は倫理的実存です。

善いことをしようという段階です。
をしようとすると、
自分のためと思っているのは、善くないと皆思います。

それは偽善ですから、
欲望を抑えて、欲を無くして行こうとなります。

人間の善は、
煩悩を満たせば幸せになれると思っています。
決定的な飛躍がなければなりません。
ここまでキルケゴールは突き止めていました。

満たせば幸せになれるとは仏教では言われない。
諸行無常ですから、手に入れるお金や財産は、崩れます。

では、その欲をなくしなさい
そういうような教えが仏教にもあります。
親鸞聖人は、比叡山で欲をおさえてなくそうとされた。
ところが抑えようとすればするほど煩悩が噴き上がり、少しも減る気配はありません。

キルケゴールも同じように思ったので、
宗教的実存を考えましたが、
キリスト教には矛盾が多すぎて、解決には至りませんでした。

ところが仏教の絶対の幸福は煩悩即菩提です。
煩悩即菩提は煩悩がそのまま喜びになる不思議な幸せです。

キルケゴールが求めていたものは、仏教にあったのです。



by sakyamuni | 2020-04-30 12:00 | 罪悪