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中国に、さいくんぼという髭の立派な政治家がいた。
髭の長さが15m位あった。

ある時、天子から、
「そのひげは寝る時はどうしているのじゃ」
と聞かれた。

「ちょっとど忘れしましたので、一回寝てみてから報告します」
さっそく帰って寝てみる。

掛け布団の中にしまって寝てみると、どうも違和感がある。
そこで掛け布団の上に出してみると、喉の下がすーすーする。
もう一度掛け布団に入れてみるとやはり違う気がする。
とうとう明け方まで、髭をしまったり出したりしていた。

翌朝天子に謁見して、
「申し訳ございません。一晩中試し続けましたが、分かりませんでした」

天子は、
「お前はこの国のことはよく分かっているが、自分のことには暗いのお」
といった。

人間、自分のことは分からない。

ニワトリが最近鳴かなくなったと嘆くおじいさんがいた。
ところが、鶏が鳴かなくなったりはしない。
自分の耳が聞こえなくなってきている。
自分のことは分からない。

どうして自分の姿が見えないのか。
それは、近すぎてみえない。
「目、目みることあたわず、刀、刀きることあたわず」
自分の目で自分のまゆをみることはできないように、
自分の心で自分の心を知ることはできない。

ではどうすればいいのかというと、
自分の姿を見る時は鏡を使う。

鏡がなかったら、ご飯粒つけて歩いていてもわからない。

自分の心を知るには、自分の心を映し出す鏡が必要。



# by sakyamuni | 2020-10-11 12:00 | 生きる意味

ブッダは「仏法聞き難し」
と説かれている。

中国の道綽禅師は
安楽集』に
「三恒値仏の因縁がなかったら仏法にあえないんだ」
とおっしゃっている。

「三恒」とは、三恒河沙のこと。
ガンジス川の砂の数の三倍。
無量の意味。

そういうたくさんの仏とあい、過去において仏法を聞いてきた。
今生のご縁だけではないんですね。

古い過去世から諸仏の教えを聞いてきた因縁があったから聞けたんだ、と教えられている。

それほど聞き難いのが仏教。



# by sakyamuni | 2020-10-08 18:00 | 仏教

ブッダは本当の地獄の苦しみはどんな喩えでも説けないと教えられている。

諸々の比丘よ、如何なる喩と雖も、いかに地獄の苦なりやを説くこと能わず。
(賢愚経)

諸々の比丘、出家の人達ですね。
仏教を専門につたえている立場の人。
この地獄の苦しみはどんな喩えをもってしても、
どのようにして説くことができようか。

絶対にできないのだ。
この後に説いてさえ分からないのに説かずにいては
想像もできないから強いて、無理してでも喩えでも良いからお願いしたい。

強いて喩えでしか分からないから、
教えてもらえませんかという問に対してこの後、言われるんですね。
それがこの後に出てくる有名な300本の槍の話。
強いて教えたまえという弟子に対して、

朝100本の槍で突かれるのをどう思うか。
昼また100本の槍で突かれる。
それでも死ねない。
晩100本の槍で突かれる。
こうなるともうつくところがありません。

この苦しみをどう思うかとブッダは説かれた。
御弟子はびっくりして、え、
一日一本の槍で突かれるのもどれくらい苦しいか。
いや、針でグサッとつかれたらどれくらいつらいか

まして1日300本。
どれくらい苦しいか知れません。
お釈迦さまがどんな喩えでも説けないと言われたわけが分かりました
とこういったのにたいして
ブッダは驚くのはまだ早いと言われて、
小石を拾われて、この小石とあのヒマラヤ山とどれくらい違うか。

全然違います。
一日300本の槍で突かれる苦しみをこの小石とするならば、
無間地獄の苦しみはあの雪山、ヒマラヤ山のようなものだと言われた。

これを聞いたらあなたお伽噺にしか聞こえないでしょう。
オーバーな話と思うかも知れませんが
実際オーバーでもなければお伽噺でもない。

実際これ間違いなく受けて行かねばならない恐ろしい厳粛な事実です。
死ねばハッキリ分かります。
しかし地獄に堕ちて仏説まことであったと知らされても手遅れです。

これほど受けると言うことは
いかに私たちの罪が深いか深重であるかがわかれば、
これもハッキリ分かるんですよ。



# by sakyamuni | 2020-10-04 18:00 | 罪悪

人生は夢のようなの。
夢の中で手に入れたものは目が覚めれば消えてしまうように、
夢の中今まで集めた宝、妻子、財宝、みんな全部
娑婆に置いて行くということを、

夢の中 集めた宝 皆置いて 業を荷うて 独り出ていく

と歌われています。

集めた宝はみな置いていくんですが、実は持って行けるのが業力。
業力というのは死ぬまでにやった行い。

でも、宝を手に入れるには、
自分の都合で他人を蹴落としたり、
奪い取ったりする必要があった。

あの世に持っていくのはそんな悪業のみ。
今まで作った悪業のみを背負って、
独りで後生へとまいこんで行かねばならない。

これがすべての人の臨終と
仏教で教えられている。



# by sakyamuni | 2020-10-01 12:01 | 生きる意味

自殺問題の解決策

テレビで、自殺願望の少年を、みんなで止める。
「中居正広の家族会議を開こうスペシャル5」

筋ジストロフィーの患者が登場。
17歳の少年。
死を覚悟して、しっかりしている。
身長178センチ。
体重28キロ。
筋肉が脂肪になり、やがて心臓も止まる。
「僕は自分で死ぬことができない。
自殺する能力があるなら、他のことに使えばいい」
これを聞いて、自殺願望者が、ちょっと考え直してみますと言っていた。
その少年に、
「あなたにとって、生と死はどういうものですか?」
と尋ねたところ、生きるということは、何かを残すこと、
死については、どうしようもないので、考えないと答えていた。

結局は命の価値が分からない。
ニーチェの予言通り、ニヒリズムがはびこっている。

こうなってしまう原因は何か。
社会が悪いのか。
家庭が悪いのか。

根本的には、命の価値、生きる意味、すなわち人生の目的が分からないことが原因。

ブッダは、その答えがある、といわれている。
例えば
大宇宙広しといえど、私たち人間にしか果たすことのできない、
たった一つの尊い目的があります。

これがハッキリすれば、自殺問題の論争に終止符が打てる。



# by sakyamuni | 2020-09-28 12:00 | 生きる意味