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この世はすべて空事たわごと?

歎異抄に
煩悩具足の凡夫・火宅無常の世界は萬のこと
みなもって空事たわ言真実あることなし
という言葉があります。

煩悩とは、怒り妬みの心をいいます。
が妨げられると、怒りや、憎しみの心が出てきます。
煩悩具足の凡夫とは、これらの煩悩でできているのが私、人間ということです。
妻子、財産をたのむ、信じる、その心は、煩悩です。
煩悩具足の凡夫の姿です。
こういうものしか、信じられない。
なぜか。
煩悩具足の凡夫だから、朝おきて、女性が、
一生懸命に化粧をする、これは、名誉欲です。
壁に塗っている。
男でも同じ。
朝おきて、くしを入れる、名誉欲、人からよくみられたいという
それしかない。
私たちが思っていることといえば、どうしたら、
お金が儲かるか。
どうしたら、人からよく思われるか。
これしかありません。
煩悩具足の凡夫ですから。

朝から、何を考えているか。
一日24時間頭の中は、あれがほしい、
これがほしい、と夢の中も同じです。
を離れて、一瞬として私はありません。

「火宅」とは、火のついた家ということで、隣の家から火が出た、
そして、自分の家のひさしに、火が移って燃えている。
そんな家にいて、安心できますか。
いま12時だから、食事済ませてから、逃げよう。
そんな人ありますか。
こんな格好で逃げたらどう思われるか。
みな、外で見ているから、どんな服を着ていこうか、
そんな余裕ありません、そのまま飛び出していきます。
これが火宅。
驚いてこころがどきどきする。
私たちが生きている世界は、いつどうなるかわからない。
無常の世の中です。
無常、みな常がないのですが、最もはげしい無常は、人が死ぬことです。
ですから、人が死ぬことを、無常といいます。
私たちは、死に近づいています。
そんな、死に向かって生きていますから、不安なのです。
「萬のこと」といわれています。
例外はないんだ。
みな、裏切る者ばかりです。
裏切らないものは、何一つありません。
しかし自分が信じているものだけは、裏切らないと思っています。
「あの人は、年を取っていたから、死んだんだ。
自分は、まだ若いから大丈夫」
「あの人は、酒を飲んでばかりいたから、事故になったんだ。
自分は、酒を飲んでいないから」
「あの人は、暴飲暴食していたから」
自分だけは違うと思ってます。
すり替えている。
ごまかしている。
しかし、ごまかしは解決ではありません。
実際に、死んでいく時に、後悔する。

「みなもって」も同じです。
自分だけはちがう。
これが間違いのもとです。
「空事」というのは、裏切るものということ。
当てにならないもの、たよりにならないもの。
「たわ言」もだまされるということ、「真実あることなし」
真実とは、絶対に裏切らないもの、変わらないもののことです。
そんなものは、なにひとつありませんよ。
しのなかしかし、絶対に裏切らない者が、一つだけあるぞとおっしゃっています。
「唯念仏のみぞまことにておわします」
このねんぶつとは、弘誓、弘誓の仏地のことです。
弘誓の仏地とは、阿弥陀仏の本願のことです。
弥陀の誓願ともいわれ、阿弥陀仏のなされたお約束のことです。


by sakyamuni | 2017-09-24 12:00 | 生きる意味